インクの違いと耐水性について
いつも万年筆を使用して、楽しんでいるでしょうか?
万年筆はインクの種類もたくさんあり、色々と使い分けると本当に楽しいですね
万年筆のインクは染料系のインクが種類やカラーが豊富でたくさんありますが、水に溶けやすくあまり保存には向かないと言われていますが、実際にどの程度で水に溶けるのか気になりますね
そこで今回は手持ちのインクで、耐水について調べる事にしました。
私もたくさんの種類のインクを持っているわけではないですが、よく使用するインク(染料系)で外出時に手帳などで使用した場合は、耐水性はあるのか気になっていたのでテストをする事にしました。
今回は、【プラチナ・ロイヤルブルー】、【ペリカン・4001シリーズ・ロイヤルブルー】、【パイロット・色彩雫・深海】の3種を色の比較と耐水性テストをしたいと思います。
- 各インクを執筆後、一週間放置後に耐水性テスト
- 文字の比較はプラチナ・プレジールを使用して比較
- 各インクの特徴などのご紹介!
ブルー系の3種類のインクのご紹介
他の記事でも過去にご紹介しているのですが、今回はあえて私が使用している、プラチナ・ブルーブラック、ペリカン・ロイヤルブルー、パイロット・深海を比較してそれぞれの特徴などをあえて比べてみたいと思います。
色に関してはそれぞれの好みによるところが多いと思いますが、他の部分でも違いがあって一度比較してみたいと思っていました。
今回のテストではプロフィット21の中字を使用しようと思っていたのですが、今は他のインクを入れて使用中なので、使用していないプラチナ・プレジール細字を使用しました。
まずは3種のインクのご紹介をしたいと思います。
プラチナ・ブルーブラックのご紹介
一般的には万年筆インクと言えば染料系のインクが多いのですが、プラチナのブルーブラックは普通の染料系のインクと違い、鉄イオン成分などを含む酸性のインク(古典インク)になります。
酸性の鉄イオンを含むインクのため、他の染料系インクに比べると少し違った特性があり、成分としては、ブルー系の染料インクに鉄イオンなどの酸性成分を含んでいます。
鉄は酸性の成分に弱いのですが、最近の万年筆では鉄ペンと言われているニブはステンレスのニブなので、特に使用するためには問題はありません。
鉄イオン成分を含んでいるインクのため、空気に触れると、酸化が進んで少し黒化します。
プラチナのブルーブラックは酸性の成分が弱いので執筆後はあまり黒化はせず、使用前にコンバーター内に入っているインクは徐々に黒化してきます。
万年筆のニブの保護のために以前に比べると、成分の調整で酸性が強くないと思います。
洗浄などのお手入れは、染料系インクと同じやり方でいいと思いますが、年に1・2回ぐらいはアルコビン酸(ビタミンC)で洗浄をいた方がいいかもわかりませんね
ブルーブラックインクの鉄イオンは、アルコビン酸で除去する事ができます。
・私が実践している万年筆の洗浄方法のご紹介と洗浄時の注意点について
プラチナ・ブルーブラックインクですが、他のメーカーのブルーブラックに比べると明るいブルーなので、明るいブルー系のインクを好む方には最適と思います。
私の感想としては、ブルーブラックというよりもブルーインクと思って使用しています。
プラチナのブルーブラックよりブラックに近いブルーブラックの古典インクがいいのなら、ペリカン・4001・ブルーブラックがおススメです。
パイロット・深海(シンカイ)のご紹介
色彩雫は国産筆記具メーカーのパイロットから、販売されている万年筆用のインクです。
色彩雫はパイロットの一般的なインクとは違い、自然界の様々な場所や風景などの名前が付けられていて、またカラーバリエーションが豊富で、好みの色が見つかるかもわかりません。
インクの特徴としてはオシャレなボトルで、インクの残量が少なくなっても吸入ができるような工夫がされていて、デスクなどに置くとインテリアとしてもいいと思います。
私は色彩雫の色が好きなので、ブルー系インクを中心に複数所有をしています。
特徴としてはサラサラしていて、インクの粘度が低く万年筆には優しいインクですが、粘度が低いので細い字幅では、少しカリカリした書き味になります。
今回使用した深海は名前の通り、深い海底の色をイメージをしたブルーブラック系のインクになります。
プラチナのブルーブラックが明るいブルーブラックなので、対照的なカラーですね!
ペリカン・ロイヤルブルーのご紹介
海外万年筆で有名なペリカンから、発売されているインクの4001シリーズのインクになります。
ペリカンのボトルインクは、低価格の4001シリーズと高級シンクのエーデルシュタインがあります。
ロイヤルブルーは4001シリーズのインクで、深くあざやかなブルーのインクになります。
パイロットの色彩雫はサラサラのインクなのですが、ペリカンのロイヤルブルーは色彩雫に比べると少し粘度が高いインクになります。
たとえば、細い字幅の万年筆と色彩雫のインクを使用していて、万年筆の書き味がカリカリしすぎて気になる方には、少し粘度のあるペリカンの4001シリーズを使用してもいいと思います。
ペリカンの4001は低価格なので、おススメのインクです。
私個人の感想ですが、ペリカンの4001・ロイヤルブルーの色は深みがあるので、気に入っているインクの一つになります。
3種のインクの耐水性について
今回の耐水テストの理由としては、例えば手紙などの宛名や外出時に手帳などの使用した場合に、万が一雨に濡れる流れてしまうだろうと思い、テストを行いたいと思います。
染料系インクのため水に溶けるので、流れやすい事は十分に承知しているのですが、確認のためにテストをする事にしました。
- 執筆後に1週間放置
- コクヨ・ソフトリングノートを使用
- シリンジを使用して、水を数滴落としてインクの状態の確認
- それぞれの結果についての考察…
3種のインクの耐水性テストでの結果について
【プラチナ】ブルーブラック
プラチナのブルーブラックは染料インクに鉄イオンが含まれていて、酸性成分の鉄イオンが水では流れにくくなっています。
染料の成分は他の染料系インクと同じように、水に溶けやすいのですが今回テストでは、インクはあまり水に溶けなかったです。
私が使用した感想としてはもう少し色が濃いインクならば、プラチナのブルーブラックは一番使用頻度の多いインクになっていたかもわかりませんね
他のインクと比べると薄いブルーのインクなので、テストではわかりずらい事もあったかもわかりません。
水に溶けずらいですがボールペンの油性のインクのように、まったく溶けないわけではないので、基本的には水に弱いことは意識した方がいいと思います。
テストの結果からプラチナ・ブルーブラックは、一般的な万年筆用の染料インクよりは水に強いと思います。
【ペリカン】4001・ロイヤルブルー
インクの色は一番お気に入りのインクだったのですが、残念ながら初期のインクの溶け方は一番早かったです。
染料系のインクで色彩雫よりも粘度が高かったので、流れ出しは遅いのだろうと思っていましたが、意外な結果になりました。
しかし初期の溶けるは早かったのですが、その後は急速に流れ出す事がない傾向ですね!
染料系インクは基本的には、水に弱いことを意識して使用した方がいいと思います。
【パイロット】色彩雫・深海
水滴を落とした直後は流れ出しがペリカンのロイヤルブルーより遅かったので、耐水性は高いのではと少し思っていましたが、その後は一番インクの流れ出す量が多いインクになります。
色彩雫は国内万年筆メーカーのパイロットから発売されているインクで、サラサラした粘度が低いインクです。
万年筆に対して負荷の少ないインクでカラーバリエーションが豊富なので、使用していて楽しいインクですが、ノートの紙質によっては裏抜けやにじみが出やすいので注意してください。
耐水性テストからの考察
私が想像していた通り、染料系インクは水に溶けやすいので注意が必要と思います。
はがきや手紙ななどの郵便物は、あまり使用しない方がいいのではないでしょうか?
酸性のブルーブラックインクは、もっと溶け出すと思っていましたが、ある程度は水に溶けずらいので、カラーが気に入ればいい選択肢だと思います。
- 公文書や長期保存する場合は油性のボールペンがおススメ
- 染料インクは水に溶けるので注意が必要です。
- ブルーブラック・古典インクは染料系よりも少し水に強い
- 万年筆インクは使用目的によって使い分けが大事
まとめ
今回は一般的に流通量が多くて、低価格で購入できる万年筆メーカーのインクを耐水性のテストをしました。
テスト結果から判断して、染料系のインクは発色もよくカラーバリエーションが豊富でいいのですが、水や紫外線には弱いので書いた後は扱いに注意が必要と思います。
私は万年筆を使うことが楽しいので、趣味として色々なカラフルなインクを使用しているのでいいのですが、保存目的の場合は注意してくださいね!
次のテストでは、インクの対候性を比較したいと思います。